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《87》【僕のジョボ女簿日誌】 「第二話 姉弟・接吻(シスター・キス)」(2)ー1 孤独

僕はどこにでもいる普通の子供だった。
普通に両親が恋をし、普通に結婚をし、普通にこの世に生を受け、それまで過ごしてきた。
状況が一変したのは、僕が小学校に入る少し前。
交通事故で母親が死亡したのだ。
助手席に座っていた母は即死、運転席でハンドルを握っていた父は意識不明の重体、後部座席に座っていた僕だけが奇跡的に命に別状はなかった。
さらに悪いことは続く。
当時は子供だからと詳しいことは何も教えてもらえなかったが、裁判の結果僕の父が事故の原因ということになり、大勢の人から非難されることになった。連日連夜、ベッドに横たわる父の元に押し寄せる誹謗と中傷の嵐を、僕は耳を閉じて見つめるしかなかった。
自動車保険に入っていたため、慰謝料の大部分は減らされたが、唯一の親族である僕はまだ子供。両親と住むことが出来なくなった僕は、児童養護施設に入所することになったが、前述の経緯もあり、そこでも理不尽に迫害されることとなった。映画でよく観る、悲劇的なキャラクターのテンプレのような幼少期だった。
そんな僕の人生に転機が訪れたのは、小学六年生のとき。
バケツをひっくり返したような大雨だったーー。

◆◆

丁度小学校でトラブルを起こしたばかりで、そのことで叱られると肩を落としながら施設長室へと入った。
しかし、施設長一人かと思われたその部屋には、もう一人の男がいた。
ガッシリとした体格の紳士であり、見るからに暑苦しい黒スーツに身を包んでいる。ライオンのたてがみのような髭が特徴的なその男は、当時十二歳の僕でも只者じゃないことが分かる、威圧感のある顔立ちをしていた。

「中西さん、この子が……?」

「ハイ、築月さん……太郎くん、こちらは築月観枝春(みえはる)さんだよ。ホラ、挨拶をしなさい」

応接用のソファーから立ち上がったその男は、施設長の中西さんを一瞥すると、僕の元へと近付いてきた。見た感じ中西さんよりも年下に見えたが、彼自身から醸し出されていた気品も風格もオーラもこの人が勝っている。

「堅苦しい挨拶は無しにしよう、中西さん。初めまして、太郎くん。私は築月観枝春というものだ。どうぞよろしく」

吸い込まれそうな瞳と優雅な微笑を携えた彼は、僕に手の甲を差し出してきた。釣られて僕も利き手を差し出し、彼と手を握り合った。分厚い手のひらにギュッと握られ、少し痛かった。

「さて、立ち話もなんだし……本題に入ろうか。掛けたまえ、太郎君」

〝築月〟と名乗ったその人は、応接室の入り口から最も遠い二人掛けソファーの片側に向かった。僕は、そのソファーと机を挟み向かい合って並ぶ二つの一人掛けソファーの、入り口に近い方を選び、彼が座ったのを確認して腰を降ろした。

「ほぅ」

そんな僕を見て、彼は感心したように声を上げた。
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Author:屈辱の湖
周りと違う僕はおかしいのだろうか。
こんな性癖誰にも理解されないのではないか。
どうやって新しいオカズを手に入れればいいのか。
分からぬまま悶々と欲望を募らせていましたがーーとうとう見つけました。僕のたぎる思いを満たすことが出来るのは、

〝少女のおもらし〟だと。

Twitter
https://twitter.com/mashiroirosymp1

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