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《56》【僕のジョボ女簿日誌】 「第一話 学園(エデン)は檻の中」(10)ー4 異変


◆◆

広い体育館を静寂が支配する。こんなに人口密度が高いのに、言葉を発する者は誰もいない。何故なら、声を出す権利を与えられているのは僕だけだから。
僕は覚悟を決め、スタンドマイクを丁度良い位置にセットする。準備は整った。原稿が脳内ディスプレイに表示される。そのときーー。

「ちょっと……何……? ……イヤァ……!!」

沈黙が破られた。僕じゃない。女の子の高い声だった。すると、これに呼応するかのように。

「何……何……」
「ウワ……こっちに来た……!」
「汚ねぇ……!!」

色んな声が聞こえた。いずれもまだ成熟していない少年少女の声。何かあったとしか思えない動揺と混乱が広がっている。
教職員達も異様な空気に気付き始めた。しかし、沢山の生徒で埋め尽くされた体育館。何が起きたのか、ハッキリ分かっていないようだ。ーー壇上から全体を見渡せている、この〝僕〟を除いて。
明らかに異変が起きているのは、僕から見て右斜め後ろのエリア。主に一年生が整列するところだ。乱れなくクラスごとに一列に並んでいたはずなのに、その一部で大きな波紋が生まれていた。いや、生まれるというよりも、そう見えるといった方が正しいか。
何故かは分からないが、何人かの生徒らがその〝中心の何か〟を避けるように放射線状に先程までの場を離れ、まるで歪な時計のような形の空間をつくっている。そしてその中心、針を止める位置には一人の女子生徒が立っていた。ぐったりとうな垂れて、脱力しきった様に顔を下に向けている。

――この光景に、僕は既視感を覚えた。まさか。まさか、まさか。

下を向いていた彼女が、ゆっくり顔を上げた。
壇上の僕と目が合った。そして。

「センセェー!! ごめんなさーい!! 私……ワタシ……またオシッコ漏らしちゃいましたー!!!!」

彼女は、体育館中に耳をつんざくような大声を響かせた。

この位置ではどういう状況なのか分からないが、光沢のあるフローリングの床が陽の光と反射している彼女の床下がよく分からない。スカートが濡れているのかもよく分からない。彼女の表情も何もかも。分かるのは彼女の名前だけ。

「桃瀬さん……」

「センセェー!! また漏らしちゃってゴメンなさーい!! 私を……アタシを保健室に連れてってー!!!!」

「…………!!」

僕はその光景を、ただぼんやりと眺めていた。本来なら予期せぬ事態にパニックになるはずなのに、何というか現実感がなかったのだ。しかし、今の彼女の声を聞いて身体は自然と動き始めていた。
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プロフィール

Author:屈辱の湖
周りと違う僕はおかしいのだろうか。
こんな性癖誰にも理解されないのではないか。
どうやって新しいオカズを手に入れればいいのか。
分からぬまま悶々と欲望を募らせていましたがーーとうとう見つけました。僕のたぎる思いを満たすことが出来るのは、

〝少女のおもらし〟だと。

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https://twitter.com/mashiroirosymp1

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